ホーム » 国際結婚 » 海外へ荷物を送るにはどうしたらいい!?国際郵便がおすすめな訳

ブラジルいる家族に荷物を送りたいんだ。日本から送るにはどの宅配会社を使えばいいかな?

うーん。会社によって値段も配送所用日数も違いそうだね。まずは、身近な郵便局から調べてみようか。

おすすめは郵便局の国際郵便

郵便局のイラスト

日本から海外へ荷物を送る時は、「郵便局の国際郵便」と「国際宅配業社」に頼む方法があります。

送り慣れてないと、どこに頼めばいいか悩まれるかもしれません。

筆者の考えでは、価格、配達所用日数などを考慮して、一番おすすめな所は「郵便局」です。ですが、新型コロナウイルスの影響もあり、最近では航空便で送れない国・地域も多くなってしまいました。

ブラジルも例外ではなく、2020年頃からブラジル郵政公社は国際郵便物の取り扱いを停止しており、2022年8月時点では、国際郵便で受け付けるのは船便のみとなっています。

まずは郵便局のHPで、「送りたい先が配達可能か」どうか、「希望する配送方法(航空便、船便など)で送る事ができるか」を確認しましょう。

もし、国際郵便で希望する条件で送れない場合は国際郵便よりも価格は高めですが、「国際宅配業者」を考えて見るのがいいでしょう。

料金は重量で決まる

海外へ荷物を送る際の料金設定は、梱包された実際の重量」または「箱サイズから計算される容積重量」のどちらか重い方で配送料金を決定する所がほとんどです。

容積重量を求める計算式は下記載通りです。

容積重量 = BOXの長さ×幅×高さ/5,000 

例えば、コチラの荷物を送りたい場合・・・

長さ26cm×幅25cm×高さ27cmの箱
長さ26cm×幅25cm×高さ27cm 重さ2.5kg の小包
容積重量 = 26cm × 25cm × 27cm / 5,000 = 3.51kg
(0.5kg単位で切り上げ) = 4kg

実際の重量の2.5kgよりも容積重量が重いので、重い方の4kgで配送料金が計算されます。この場合、箱のサイズをもっとコンパクトにできれば、料金を実重量の金額まで抑える事が可能です。

ポイント

容積重量が実重量よりも重い場合は、もっと小さい箱に梱包できるか検討しましょう。

国際郵便はEMSが賢い選択

国際郵便で小包を海外へ送る際、発送手段は「EMS、航空便、SAL便、船便」の4つあります。EMSとは「国際スピード郵便」という意味で、EMSを使うと航空便よりも数日早く届けてくれます。下の図を見るとイメージしやすいでしょう。

郵便局の国際郵便-発送手段
図1:郵便局の国際郵便-発送手段(イメージイラスト)
情報参照元:郵便局HP 「国際郵便」

間違いなく値段だけでいうなら、「船便」が安いです。しかし、いつ届くのかわからないのが最大のデメリットになります。

もし、ブラジル宛に船便で送ると、最低3ヶ月〜下手したら半年以上かかる可能性があると郵便局の人に言われてしまいました・・。

いくら安くても、半年以上はキツいわ・・・

下は国際郵便の4つの発送手段で、もしもブラジルに送った場合の比較です。現在はブラジルは船便のみ受付ですが、参考までに。

小包をブラジルへ送った場合の比較

ブラジル(サンパウロ)行き: 箱のサイズ(長さ26cm 幅25cm 高さ27cm) 容積重量4kg

価格 配達日数 損害賠償 追跡サービス 最大重量
EMS ¥12,600 5日 2万円まで無料 30kg以下
航空便 ¥12,650 9日
(11,160円 〜)
30kg以下
SAL便 ¥ 9,200 3週間
(11,160円 〜)
30kg以下
船便 ¥ 4,800 3ヶ月〜
(11,160円 〜)
30kg以下
ポイント

EMSの方が航空便より早く届いて、価格も航空便より安い事がある

盗難対策は必須

海外へ荷物を送る際は、盗難対策をしっかりしておきましょう。「箱だけ届いた」または「中身が半分抜かれていた」なんて事例もよくある事です。

まず、品物を包装する外箱については、日本からの品物だとわかるような日本語が記載されているものは避けるのが基本。そして乱暴に扱われても良いように丈夫な箱に品物を入れるといいでしょう。

また、どこを経由したかわかる追跡サービスは必須です。追跡もないような荷物は狙われる確率が上がると思って下さい。

基本的には、どの発送手段にしても追跡できます。しかし、送り先の国や地域によっては、追跡サービスが利用できない場合もありますので、確認しましょう。

ポイント

  • 無地の丈夫な箱に梱包しよう
  • 追跡サービスは絶対

何かあった時の損害賠償制度

万が一「品物が紛失した」「壊れて到着した」など、問題が起こった時の為に、国際郵便の損害賠償制度があります。何かトラブルが発生した時に上限額の範囲内で郵便局側が補償してくれる制度です。

基本的には、内容物の申告額が補償額になります。上限額は、EMSは2万円まで、他の発送手段だと、小包の重量によって上限額が設定されます。上限額を上回る品物を送る場合は、有料になりますが、上限額を引き上げる事も可能です。(国際郵便の損害賠償制度の確認はコチラ

国際eパケットと国際eパケットライト

小包といっても、重量が2kg以下で、「長さ、幅、高さ」の3辺の合計が90cm以内のような小さな物は、小形包装物となります。通常の郵便物扱いと同じになりますので、上記のサービス条件には当てはまりません。

このような小さい物を送る場合は、書留がついている「国際eパケット」がおすすめです。補償は6000円を上限に付ける事ができ、追跡もできます。

追跡サービスだけで、補償も不要という簡易的な品物なら「国際eパケットライト」という方法もあります。

「国際eパケット」が航空便で送られ、「国際eパケットライト」はSAL便で送られる為、国際eパケットの方が早く目的地へ到着します。(図1に記載)

価格重視で考えれば「国際eパケットライト」の方が魅力的ですが、受取人のサインも取らずにポストに投函するような配達方法になりますので、安全性には不安が残ります。

ポイント

小さい品物を送るなら「国際eパケット」がおすすめ

宛先ラベルは国際郵便マイページで作ろう

実は「手書きラベルでは郵便物が届かない場合がある」という事をご存知でしょうか。

郵便局で、手書きラベルでは差し出せない国・地域一覧があるのですが、この一覧に記載ないからと安心してはいけません。

筆者はブラジルに品物を送る際、この一覧には該当せず、郵便局で手書きラベルを引き受けてくれました。

しかし、無事に届けられず、月日が立ってから、日本へ戻ってきてしまいました。

時間も、送料も無駄です。ならば初めから、国際郵便マイページサービスを利用してラベルを作成すれば良かったと後悔・・・。

こんな事にならないように、初めから郵便局の国際郵便マイページサービスよりラベルを作成する事をお勧め致します。

ポイント

手書きラベル禁止に該当する国でなくても、手書きラベルはリスクが高い

20万円のラインと発送の流れ

海外の物を申告無しに日本に持ち込んだり、日本の物を海外に持ち出すことはできません。申告しないと「密輸」になってしまいます。そこで、品物の名前、数量、金額などを税関に申告して、必要な検査を受ける「通関」の手続きがあります。

国際郵便で送る際、内容物の合計金額が20万円を超えるかどうかによって通関の手続きが変わります。

内容物の合計金額が20万円以下の場合

税関告知書・インボイス」の記入後、ラベルを作成して、郵便局で発送します。

その後、荷物は国際交換局(通関郵便局)へ送られ、税関によって必要な検査を受けます。

ここで、「20万円を超える品物」または、「輸出申告が必要な品物」と判断されると、送り主に連絡が入り、荷物は国際交換局で一旦保管されます。

無事に関税の検査が通れば、国際交換局から送り先の海外へ発送されます。

内容物の合計金額が20万円以上の場合

この場合は、税関に「輸出申告」が必要になってきます。郵便局に行き、20万円を超える品物を送ることを申出て、通関案内を受けましょう。

この「申告手続き」は自分で行わなければなりませんが、郵便局や他の通関業者に委託する事も可能です。 ※郵便局の代行料金: 2,800円/件 (2022,8 現時点:郵便局H Pより)

「税関告知書・インボイス」の記入をし、その他必要書類に記入してラベル作成し、郵便局で発送します。荷物は国際交換局へ送られ、税関から輸出許可がおりるまで保管されます。税関で審査・検査を受けて、輸出許可がおりた後に送り先の海外へ発送されます。

ポイント

20万円以上の物を送る場合は、輸出申告が必要になる

送った先で関税・消費税が請求される

Import duty concept. Pile of cardboard boxes.

どこの国でも、海外から品物を輸入した時、品物に対して税金が課されます。

例え「贈り物(Gift)」だったとしても、免税の条件からはみ出ると、送った先の国で関税が課されます。課された税金は原則輸入者、つまり、送った相手に請求されてしまうんです。

国によって免税の条件や、関税・消費税でどれくらい請求されるかは異なりますが、万を超えるような高額を請求される事もあり得ます。

(ブラジルにかかる関税・消費税は下記の記事で紹介しています。)

せっかくの贈り物が、相手に支払いを請求してしまうなんて避けたいところです。

できれば、相手国の免税の条件を知っておくといいでしょう。贈り物はいくらまで免税範囲などと決まっています。

また、荷物発送時に、送る側に関税を請求するような選択も可能になっているはずなので申し出すると安心でしょう。

ここまでやっておいて、課税されるかされないかは、後は「運任せ」になります。

さらに補足しておくと、国際郵便のEMSを使うと課税が見逃されるケースが頻繁に起こります。

というのも国際郵便では、会社間ではなく個人利用者が多い為、20万円以下の品物について税関に申告して許可を得る必要がないのです。EMSで送られてくる荷物の数は日々莫大なので、税関職員も全てをチェックする訳にはいかず、例え課税対象だとしても見逃されるケースも多いのが現状です。

これが国際宅配業者だと、業者の通関士がいる為、免税対象外であれば、ほぼ請求されると思った方がいいでしょう。

ポイント

EMSで20万円以下の場合は課税されない事も多い

まとめ

価格、配達所用日数、通関まで考慮して、海外で荷物を送るのであれば、可能であれば国際郵便(郵便局)のEMSがお勧めです。個人間であれば、国際宅配業者で送るよりも、国際郵便の方がメリットは大きいかと思います。

〈参考文献〉

<その他の人気記事>