カイピリーニャはブラジル原産の蒸留酒「カサッシャ」をベースにフルーツ、氷、砂糖などで割ったカクテル。定番はライム割りですが、実際ブラジルへ行くと、日本では見た事のないような珍しいフルーツを使ったカイピリーニャに出会えます。
目次
カサッシャって何?
カサッシャは、サトウキビから作られるブラジル原産の蒸留酒。ピンガとも呼ばれます。カサッシャの始まりは、1532年、ブラジルでサトウキビの栽培が始まった時期。砂糖を生産する過程で偶然発見されたらしく、歴史の深さを感じます。
尚、ラム酒もサトウキビから作られる蒸留酒なので、アメリカに最初に輸入された時は、「ブラジルのラム酒」としてカテゴリ分けされていたようです。
ただ、この二つのお酒は、似ているようで、全く別物とされています。カサッシャはサトウキビの搾りたての汁を使用しているのに対して、ラム酒はサトウキビの廃糖蜜で作られることが多く、味にも違いが出ています。また、熟成させる為の樽にも違いがあり、ラム酒はアメリカ・ヨーロッパの広葉樹が使用されるが、カサッシャはアマゾンや大西洋沿岸の森林樹のなどの特産木が使用されています。
カサッシャの種類
さて、カサッシャは白色と黄色のものがあり、それぞれ違いがあります。
白タイプ
白と言っていますが、実際には透明です。ラベルには、ポルトガル語で「Branca=白」「Prata=銀」「classica=クラシック」「tradicional=伝統的」などと書かれている事が多いです。
この白いタイプは、熟成していない若いお酒で、生産後、大体がステンレス製のタンクなどで寝かせられます。ステインレス製のタンクを使用する事で、外気からの影響を受けず、よりサトウキビに近い香りや味わいを保ちます。一部の白いカサッシャで、木製の樽を使用する場合もありますが、色が出ない木材が使用され、白色をキープします。
白いカサッシャは辛口で、アルコール濃度が高いのが特徴です。カクテルなどの飲み物を始め、料理にも風味付けとしてよく使われます。
黄色タイプ
ラベルにはポルトガル語で、「Amarela = 黄色」「ouro = 金」「envelhecida = 熟成した」と書かれます。つまり、熟成したカサッシャです。熟成期間は最低でも1年間、最大700Lの樽の中で寝かされます。この熟成プロセスにより、独特の香りや風味が味わえるのが黄色いカサッシャです。白カサッシャよりもアルコール度数は低く、まろやかな味わいになります。熟成期間や樽の種類によっても味が変わってくるので、好みの味を探すのも楽しみの一つになりそうですね。こちらも白と同じく、飲み物から料理の風味づけとして使われています。
ブラジル国民酒カイピリーニャを作ろう!
定番ライムのカイピリーニャ
材料
- スライスしたライム
- グラニュー糖 大さじ2
- 氷 たくさん
- カサッシャ 60ml
作り方
ライムと砂糖をグラスに入れるか、またはカクテルシェイカーに入れ、乳棒で潰します。氷をグラスにたくさん入れてカサッシャを入れ、よく混ぜて出来上がり。
どんな味?
ライムのさっぱりとした味わいが飲みやすいです。今回、私は白いカサッシャを使ったのですが、結構アルコール強めで、昔アメリカで飲んだマルガリータに似ているといった感想です。一杯でかなり酔いそうな予感。白いカサッシャをストレートで味見してみると、強すぎて飲めませんでしたが、カイピリーニャにすると、フルーティーでかなり飲みやすくなります。
カシューフルーツを使ったカイピリーニャ
カシューフルーツ、別名カシューアップルとも呼ばれています。
名前から連想できた方もいらっしゃるかもしれません。カシューナッツの果実です。見た目は洋梨にちょっと似ている。まさか、カシューナッツに実があったなんて驚きです。とってもデリケートなフルーツで日持ちがしない為、長距離での輸送が難しく日本ではほとんど見る事のできない生産国限定のフルーツだそうです。ブラジルではよく食べられるそうですよ。
そもそもカシューナッツって、こんな実にチョコンとくっ付いてできるんですね。ちょっと衝撃です。
カシューフルーツの生の実は日本に出回っていないそうですが、冷凍の加工品は南米スーパーや通販で手に入ります。
材料
- カシューフルーツ 100g
- グラニュー糖 大さじ2
- 氷 たくさん
- カサッシャ 60ml
作り方
カシューフルーツと砂糖をカクテルシェイカーまたはグラスに入れて乳棒で潰します。氷とカサッシャを入れてよく混ぜて(シェイクして)出来上がり。
どんな味?
まず、カシューフルーツを水で割ったジュースが、日本で味わった事がないような味で、あえて何かに例えるならマンゴーのような味だと個人的に思いました。酸味が少なくて、甘くて、ちょっと渋さを感じる。これをカイピリーニャにすると、テキーラのようなアルコール強めマンゴーのような爽やかななフルーツが入って少し飲みやすくなります。
個人的には、王道のライムの方が飲みやすいかな。
ちなみにカシューフルーツですが、ビタミンCが豊富に含まれているらしく、100g中280mg!
上記表を見ると、カシュフルーツのビタミンCの豊富さわかりますね。
カシューフルーツの冷凍パルプですが、あまったらジュースにできますよ。
凍ったままののパルプをパキパキ追ってミキサーに入れて、水を200ml〜300mlくらい入れて、砂糖をお好みで入れたらミキサーでミックス。
美味しいジュースのできあがり!
ジャボチカバのカイピリーニャ
ブラジルでは、一般的なフルーツなようですが、日本のスーパーでは全く見かけませんね。こちらもカシューフルーツと同じく、熟すのが早くデリケートなフルーツなので、日本のスーパーでは購入できないそうです。
今回はジャボチカバジャムを入手。ジャボチカバジャムを使って、カイピリーニャを作ります。生フルーツがある方は生を是非使って下さいね。
材料
- ジャボチカバ 15粒くらい
- グラニュー糖 大さじ2
- 氷 たくさん
- カサッシャ 60ml
※ 生のジャボチカバが手に入らないので、今回はジャボチカバジャム 大さじ2で砂糖の量を減らして代用します。
作り方
ジャボチカバと砂糖をシェイカーまたはグラスに入れて、乳棒で潰します。氷とカサッシャを入れてよく混ぜて(シェイクして)完成。
どんな味?
そもそもジャボチカバジャムの味が酸味があって甘く、杏ジャムみたいな味です。
ジャボチカバジャムは結構うまい。
カイピリーニャにしても甘さを感じます。例えた杏より甘いかも。生のフルーツは、ライチやぶどうに似ている味とかいうので、生フルーツだともっと味が違うのかも。
ジャボチカバはポリフェノールがとっても豊富らしいので、アンチエイジング効果が期待できそうですね。日本でもジャボチカバの苗木を購入できるみたいなので、育てている人もいるみたいです。いつか生のジャボチカバを食べてみたいです。
以上定番カイピリーニャからブラジルのめずらしい果物を使ったカイピリーニャまでお伝えしました。日本ではなかなか販売されていない果物を紹介しましたが、通販などで手に入りますので、お酒好きは是非試してみてね〜。