以前、「ブラジル代表料理パステルを作ってみた – レシピ有り」の記事でブラジルのストリートフード「パステル」について紹介しました。また、市販のパステルの皮(生地)で「ブラジリアンパステル」の作り方についても記載致しました。
しかし、試しにパステルの生地を通販で購入しようとすると、送料の方が高くついてしまい、購入するまでに至らない…。なんて事ないでしょうか。
今回は、自宅で簡単に作れるパステルの生地レシピを紹介します。小麦粉で作れるので、是非手作りで生地を作って、ブラジルのパステルを楽しんで下さいね。
ブラジルのパステルは日本人から広まった!?
パステルは元々、アジア人からブラジルに広まったとされていて、日本人好みの味なのは、当たり前なのかもしれません。
Wikipedia によると、中国からブラジルへやってきた移民が、ブラジルで手に入る食材で春巻きを作ったのが始まりと書かれています。
そして後に、屋台のような形でブラジルのストリートマーケットで売り広めたのが日本人移民とされています。
一説によると、当時は第二次世界大戦中で日本人移民への偏見があり、その偏見や差別から逃れる為に中国人のふりをした。とか、また別の一説では、日本人移民が中国の揚げワンタンをブラジルのストリートマーケットで軽食として販売できるように適応させたとか。理由については、色々言われているようですが、とにかくブラジルに広めたのは日本人で間違いないようですね。
パステル生地のレシピは様々。疑問に思う小麦粉、卵、酒
卵
パステルの生地の材料ですが、小麦粉と塩、水、酒とシンプルな材料のものから、卵が入ってたり入ってなかったり…。
以前、市販で購入したパステルの皮(生地)には、「卵」が使用されていました。しかし、パステルの歴史を見ると、春巻きの皮やワンタンをブラジル流に再現したとのことで、おそらく、原点に近いのは卵なしのレシピの方かと勝手に推測しました。
小麦粉
使う小麦粉も「薄力粉」「中力粉」「強力粉」と種類がありますが、大体パステル作りに使用されているのは「中力粉」です。日本ではうどんで使われる事が多く、「うどん粉」として販売されていたりします。何が違うかというと、弾力と粘り度がそれぞれ違うようです。
弾力と粘りが低いのが「薄力粉」で、高いのが「強力粉」、その中間が「中力粉」って感じです。中力粉がない場合は、「薄力粉」と「強力粉」をブレンドする事で代用可能です。
一番日本の家庭であるのが、「薄力粉」かと思いますが、「薄力粉」でパステルの生地が作れないわけではありません。多少、あげた後の食感が変わるかもしれませんが、薄力粉でも問題なく作れます。
酒
ブラジルのレシピ本などには、パステルの生地の材料で「カサッシャ」というブラジル原産の蒸留酒が出てきます。サトウキビから作られるお酒で、ラム酒に似ていますがラム酒とは区別されていて、アルコール度数が高い強めのお酒です。
ブラジルでは、料理はもちろん、カクテルなどに使われ、人々から親しまれている国民酒です。ブラジルのカクテルといえば、このカサッシャベースにライムなどのフルーツ、氷、砂糖で割った「カイピリーニャ」がとっても有名ですね。
さて、この「カサッシャ」通販で手に入りますが、日本の家庭で持っている方はほとんどいないでしょう。普段使わないのなら、わざわざ買うのももったいないですよね。
パステルの生地にお酒を加える理由として、サクッと揚がる事、そして奥深い風味を付けれるという事があげられます。揮発性の高いアルコールは、生地に含まれる水分の蒸発を助け、サクッと仕上げる事ができます。天ぷら粉などによくお酒を入れるレシピを拝見しますが、この為ですね。「カサッシャ」の代用として、おうちにあるスピリッツや日本酒などを使用してもいいでしょう。揚げる間にアルコールは蒸発するので子供が食べても問題はありません。
パステルの生地を作ってみよう!
今回は卵は使わないレシピを紹介します。卵を使いたい人は、水を100mlにして、卵2個足してみてください。
生地は丸めておいて冷凍可能なので、たくさん作っておいて、食べる日に解凍して使う事もできるよ。
材料( 4人分 )
- 中力粉 400g
- 水 200ml
- お酢 大さじ1
- 塩 大さじ1
- 油 大さじ1
- カサッシャ(酒) 大さじ1
※ 卵を使用する場合:水100mlへ変更。卵2個追加。
パステル生地の作り方
【 下準備 】
- 中力粉を分量とは別に20gくらい別の皿に移しておく(こねる時に少しづつ加える用)
- 卵を使う場合は溶いておく
【 作り方 】
- 中力粉をボウルに入れ、塩を入れて混ぜる。
- 水、お酢、カサッシャ、油(卵を使うなら溶いた卵)を1に入れて、水気がなくなるまでフォークなどで混ぜます。
- 水気がなくなってきたら、手に変えてこねる。べたつきがなくなるまで下準備で分けておいた粉を少しずつ加えてこねていきます。台の上でこねてもOK。
- 表面がつるんとしてきたら、丸く成形して、ラップかビニールに包んで常温で30分寝かせる。
※生地を冷凍する時は30分寝かせたらそのまま冷凍庫へ。使う日に冷蔵庫で自然解凍してステップ5からスタート。 - 30分後、台の上に粉を振って、寝かせた生地をめん棒で伸ばして、厚さ0.5mm程度にし、長方形 または 好みの形 にカット。
※まな板など、台が広くない場合は、あまり伸ばせないので生地を使う分だけ分割して、残りは乾燥しないようにラップかビニール袋に包み、後で使いましょう。 - パステルの生地はこれで完成。ステップ5を繰り返し行い生地を作り、後は好きな具材を入れて、揚げるだけ。
具材の包み方から揚げるまで、おすすめの食べ方はこちらで解説してます。(動画あり)
手作りパステル生地でよくあるお悩み・失敗
生地が縮んで伸ばせない
コネが足りない、または生地を休ませる時間が足りない可能性があります。
生地が台にくっついてしまう
台の上に粉を振って対応しましょう。また、生地自体がまだベトつく場合は、粉を少しづつ足してべたつきが無くなるまでこねましょう。
まとめ
以上、パステル生地の作り方、レシピを紹介致しました。以前、パステルの記事を書いてから、手作り生地レシピも書こうと思っていたのですが、書くのが遅くなりまして、申し訳ないです。
次回はパステルの中身でもよく使われているブラジルで人気の「鶏胸肉とクリームチーズを使ったレシピ」を紹介したいと思っています。日本人にも合う味で本当、美味しいんです。チーズが最近、値上がりしててネックですが…。
冷凍保存ですが、手作りのパステル生地を冷凍するのは実際に試しているので、できるのですが、おそらく、中身を入れて揚げるだけにして冷凍保存も可能かと思います。ホームパーティーの時とか、揚げるだけの方が楽ですよね。