国際結婚って離婚する確立が高いとかいいますよね。本当にそうなんでしょうか?「国際結婚」といっても、日本以外のお国はたくさんあるので、「国際」って一言でパートナーの国籍を一括りにしてしまっては、本当の真実は見えてこないかも。欧米、中東、南米、アジア等々、人相も文化もだいぶ違いますし、離婚率だって国ごとに異なるはず。「自分のパートナーはどうなんだろう」と思った方!国籍別の国際結婚統計を見たいですよね!政府統計の「e-Stat」サイトの「人口動態調査」2015年から2019年(過去5年間)の統計データを基に調べてみました。
※この記事でいう「国際結婚」は夫婦の一方が日本人(日本国籍)の事です。
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日本の国際結婚率は年間3.5%程
政府の人口動態調査(2015~2019のデータ)によると、全国の婚姻数は年間およそ60万件になるようです。その内、国際結婚はおよそ2万件程度で、約3.5%が国際結婚になります。ちなみに、これは年間の婚姻数で、令和2年の国勢調査の「人工等基本集計」によると、全国の夫婦数(日本在住の外国人夫婦含む)は約2888万人、この内、「夫婦の一方が外国人」はおよそ39万人で国際結婚夫婦は全体の約1%でした。日本では98%が日本人夫婦(夫婦両方が日本国籍を持つ)家庭のようです。この数字から、国際結婚はとても少ない事がわかります。
最近では日本もグローバル化してきて、外資系企業も増えてますし、ハーフや外国系の顔立ちの芸能人がテレビで活躍していたり、道を歩いていても明らかに日本人でない人をよく見かけるようになりました。珍しい事でもないと思いますが、外で見かけているほとんどの外国人はただ日本に仕事しに来てるとか、旅行とかで来日しているだけなのかもしれませんね。(または日本生まれで国籍は日本とか) 日本では、ほとんどが日本人夫婦家庭で、全体に比べると国際結婚夫婦はまだまだ少ないのが現状のようです。
国際結婚はどこの国が多いの?
上のグラフを見ると、日本人と結婚する外国人で多いのは「中国人」でした。続いて、韓国・朝鮮、フィリピンという順で、アジア諸国が国際結婚の6割を占めている事がわかります。中国、韓国・朝鮮、フィリピンは距離的にも日本は近いですし、在日している数も多いんでしょうね!アメリカも多いかと勝手ながら予測しておりましたが、残念ながらハズレでした。米軍基地も多い日本ではアメリカ人と出会う機会も多いかと思ったのですが、以外にも1割以下という結果でした。
外国人女性と結婚する日本人男性が7割を占める
また国際結婚の男女の組み合わせですが、「夫日本人-妻外国人」が7割を占めていました。外国人女性と結婚する日本人男性の方が、外国人男性と結婚する日本人女性よりも多いのが現実なようです。また、こちらも国籍別に男女の組み合わせの割合を求めてみました。(「国籍別の男女の組み合わせ数」÷「国籍別の総婚姻数」)
上のグラフの青色の棒が「夫日本人-妻外国人」の組み合わせで、オレンジ色が「夫外国人-妻日本人」です。結果はおもしろいくらいに国別で夫婦の組み合わせに傾向がありました。青色の占める割合はアジア諸国が多く、オレンジ色の占める割合は欧米諸国が多い感じがしますね。という事は、アジア諸国の人と国際結婚をする場合は圧倒的に日本人の男性と外国人の女性が結婚する傾向が多いという結果に。また、欧米諸国の人と国際結婚する場合はアジア諸国の場合と反対になり日本人の女性と外国人の男性が結婚するというケースが多い事がわかります。アジア諸国でも韓国・朝鮮だけは例外になるのか、男女どちらかに偏よる事なく、五分五分という結果になりました。南米のペルーとブラジルも韓国・朝鮮と同じ様な結果で、男女ともに日本人に人気があるようです。アジア諸国でも韓国・朝鮮だけ傾向が違うのは、韓国の俳優・女優さん、アイドルグループなど、男女関係なく日本で人気を獲得しているので、親しみやすい事もありメディアの影響あるかもしれないですね。それにしても、国籍別夫婦の組み合わせでこんなにも極端に違いがあるとは驚きでした。
2組に1組は離婚する国際結婚
気になるのは離婚率でしょうか。ちなみに日本夫婦の離婚率はおよそ34%。3組に1組は離婚する日本夫婦も低い数字ではないと思いますが、国際結婚夫婦はさらにその上をいきます。生まれも育ちも、文化も、政治まで、まるで違う国際結婚は、日本人夫婦とはまた違った問題があります。言葉の壁があり上手く意思疎通ができなかったり、価値観がまるで違っていたり、書類や手続き関係などは「読めない、書けない」と言った理由から、すべて日本人パートナーへ丸投げされたりなど、すれ違う事も多く、それはとても大変です。そんな、国際結婚の離婚率は56%と高いです。しかし、ちょっと待って下さい!「国際」と日本以外の多くの国を一括りにしてしまった数字ですので、この高い離婚率を真に受けるのはまだ早いです。次の国籍別離婚率を見ていきましょう。
国際結婚で離婚が多いパートナーの国はアジア諸国
国別に見た国際結婚離婚率では、圧倒的にアジア諸国が上位をしめました。フィリピン人がパートナーの国際結婚は約8割離婚しています。グラフには日本人夫婦の離婚率も入れています。これを見ると、ブラジル、イギリス、アメリカ人と結婚した日本人は、日本人夫婦の離婚率と比べて、あまり変わらない事がわかります。
さて、上記のグラフは、パートナーの国籍別離婚率ですが、さらに細かく分けてみましょう。夫婦の男女の組み合わせによって離婚率はまた変わってきます。
国籍別,夫婦の組み合わせで見る離婚率
国籍別、男女の組み合わせで離婚率を分けてみました。先ほどの国籍別離婚率で数字が一番高かったフィリピン人との国際結婚は、日本人が女性の方が男性の時より約20%も下がりました。この傾向は韓国・朝鮮も同じくです。夫婦の組み合わせで差が大きかった国はタイで、タイ人の男性と結婚した日本人女性の離婚率は100%を超えてしまいました。驚きですが、これは、過去5年間の婚姻数より離婚数が上回ってしまったようです。これを見ると、タイ人との国際結婚は男性が日本人の方が相性が良いみたいです。そして、一番相性が良い組み合わせは、離婚率24%の「夫日本人・妻アメリカ人」という結果になりました。この組み合わせだと日本人夫婦より離婚率は低くなりますので、「国際結婚は離婚率が高い」には当てはまらないですね。
まとめ
今回の統計結果から、国際結婚で「2組に1組は離婚する」というのは、アジア諸国の人と結婚した場合のようです。逆に欧米諸国との国際結婚は日本人夫婦の離婚率と比べて大差ありませんでした。にしても、全く日本と文化が違う欧米諸国の方が、男女組み合わせ関係なく離婚率が低い事に少し驚きました。今後、離婚理由についても国別に調査できたら、傾向が見えてきておもしろそうですね。国際結婚って想像していた以上に価値観が分かり合えない事が多く大変ですが、パートナーの国の事情をよく知る事で、理解できなかった行動に寄り添ってあげる事もできるかも知れません。ブラジル人と結婚した方やする方は、ブラジルの歴史やブラジル人と日本の役所での結婚手続きの記事も是非見て下さいね。
統計データ元:政府統計「e-Stat」人口動態調査